看護師養成課程における子どもの心に関する実態調査の結果を公開しました

平成25年度に実施した「看護師養成課程における子どもの心に関する実態調査」報告書を掲載しています。報告書は、自由にダウンロードして頂くことができます。ご覧頂き、コメントをお寄せ下さいますと大変うれしいです。

この調査は、看護師養成課程における子どもの心に関する教育の実施状況を明らかにすることを目的に、看護師養成課程をもつ教育機関の教員を対象としたアンケート調査を実施したものです。調査の結果、看護師養成課程における子どもの心に関する教育の実施率は、基礎的な知識は8割以上であったが、実践的内容は4割以下であることがわかりました。

この結果を、平成19年に実施された医師の卒前教育における子どもの心に関する教育の実態調査1)と比較してみたいと思います。この調査では、医師の卒前教育について、92.5%が「子どもの心」に関連した講義を行っていましたが、「児童精神医学」「小児の精神障害」「ライフサイクル」といった一般的な講義の一環の中で、1~2コマの授業しか行われていなかったと報告されています。また、大学は、「子どもの心」に関連した実習を行っている大学は、52.5%でした。

つまり、「子どもの心」についての教育があまり重要視されていないのは、医師も看護師も同じということです。しかしながら、医師の場合は、平成17年に厚生労働省に「子どもの心の心療医の養成に関する検討会」が設置され、子どもの心の診療にかかわる医師の研修、養成のあり方についての提言がなされてきました。看護は、残念ながら、10年は遅れているのではないでしょうか。私たちが実施した調査では、教育機関の9割が、子どもの心に関する教育を充実させる必要があると回答しました。この調査が、看護師養成課程での子どもの心に関する教育の充実に向けた第一歩となればと願っています。

お忙しい中、調査にご協力下さいました看護師養成機関の教員の皆さまに心から感謝申し上げます。

1)山内俊雄:子どもの心の診療の現状と問題点―全国大学医学部・医科大学における教育・診療の実態調査から―.精神経誌, 111(2), 174-187, 2009.

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