目標設定、計画立案・実施に行き詰った時はどうすれば良いですか?

 児童・思春期精神科の看護師が子どもの精神的な問題(看護診断)に関して、目標設定し立案した看護計画を実施する際、最も問題を引き起こしているターゲットとなる症状や行動から、子ども中心の現実的な看護目標を設定し、子どもの問題点だけでなく、レジリエンスや強みを生かした看護計画を立案し、子どもに効果的な各療法を用い、工夫した実施(看護介入)を行っていく必要があります。もちろん、これらを行う前に、看護師は子どもや精神医療・看護に関する知識を身につけ、子どもと信頼関係を構築することが重要です。

看護問題の確定

  1. まず最も問題を引き起こしているターゲットとなる症状や行動を考えていく。
  2. 1. の問題において、優先順位に基づいて問題のリストを挙げていく(最も優先順位が高い問題は、自傷・自殺のリスク)。
  3.  問題だけでなく、子どもの強み、コーピング能力、レジリエンスレジリエンス(回復力):
    ストレスな出来事や困難な状況の中で、精神的な健康や社会的適応行動を維持、または、回復する能力。
    も特定していく。

看護目標設定

  1. 子ども、看護師、保護者、他職種や他に子どもに関係する人たちと設定し共有する。
  2. 看護師の目標ではなく、子ども中心に考えられ書かれたものである。
  3. 子どもにとって現実的に達成可能なものとし、測定、あるいは比較可能なものとする。
  4. 子どもの成長発達・健康状態・行動パターン・利用可能な資源・期限などを考慮する。
  5. 短期目標は1ヶ月以内、長期目標は、それが達成され得る期間となり、状況・家族と連絡を取り合う頻度・現存する反応パターンの本質により変化する。

看護計画立案

1.計画立案の前に

子どもの不適応な反応は、大人とは異なった表出をすることが多いため、看護師は子どもの言動について認識し説明できるように学んでおかなければなりません。そして、子どもと一緒に子ども本人の強みと、将来的に伸ばす必要のあるスキルを話し合いましょう。

2.計画立案時

  1.  個人的あるいは集団療法的に下記の計画を取り入れていく。
  2.  各計画において、子どものレジリエンスや強みを生かすような方法を見つける。
  3.  実施前に子どもと保護者に計画を説明し、ケアプランに参加する動機づけを行う。
観察プラン(OP) ◎基本的障害や合併症の症状のモニタリング
●薬物療法時の薬物の血中濃度のモニタリング
●看護介入時の子どもの反応
実施プラン
(治療プラン:TP/ケアプラン:CP)
●治療的遊び・ゲーム
●薬物療法(安全な与薬)
●表現的療法(アートセラピー)・読書療法・物語(ストーリーテリング)
●認知行動療法(CBT)
●環境調整
●心理社会的サポート(学校や放課後の過ごし方・相談方法など)
教育プラン(EP) ◎レジリエンス、コーピング能力についての説明
<効果的なコーピング行動>
・ストレスフルな状況から引き揚げる(逃げる)こと
・突発的な反応を見合わせること
・より対処可能な状況を探すこと
・環境を制限する(よりよい環境となるように工夫する)こと
・毎日の生活の中で良い部分と悪い部分の両方を受け入れること
・適応し安全で快適である最善な状態を維持するようにすること
●心理教育的介入(コーピングスキル、問題解決の練習、ロールプレイ)
●薬物療法の作用・副作用の教育

看護計画の実施(看護介入)

  1.  子どもがより適応できる対処が行えるように、そして機能する方法を促進できるように教え、子どもと家族のモデルとなる。
  2.  各療法を取り入れ、工夫して看護介入を行う。
  3.  実施したケアプランは、子どもの感情や行動の反応・子どもの発達段階におけるコミュニケーション・介入時の観察から得た情報の追加を基に評価していく。

用語の解説

  • レジリエンス(回復力):ストレスな出来事や困難な状況の中で、精神的な健康や社会的適応行動を維持、または、回復する能力。
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