退院にむけて外泊する子どもをどのように支援すれば良いですか?

 子どもの外泊・就学への支援の際に、看護師が困難を感じる背景には、家庭・学校という環境と、病院という保護的な環境との違いによる子どもへの影響と、子どもの受け入れに対する家族・学校の準備不足や不安があります。そのため、外泊・就学への支援には、子どもだけでなく、家族・学校への働きかけが必要です。また、外泊・就学への支援は、子どもが外泊・就学できる段階になって行うのではなく、入院した時から始める必要があります。(学校への支援についてはQ9を参照してください。
 児童・思春期精神科における外泊とは、子どもを受け入れるために、子ども自身を含む家族の機能を強化することです。ここでは、家族機能を強化するための外泊時の支援を紹介します。子どもと家族に対する信頼関係が十分確立していなければ、どの支援も効果的に実施することはできません。

子どもに対する支援

1. 外泊・就学の目標を一緒に立てて取り組む

 外泊・就学の目標を一緒に立てるためには、子どもが看護師に対して外泊・就学への正直な気持ちや自分の課題を表現できるよう工夫したり、子どもの意欲を高める関わりが必要です。子どもの自己表現を促すために交換日記や交換ノートを用いた例や、具体的な対処法を一緒に考えるために、書き込み式の個別的なパンフレットを作成した例が報告されています。子どもが主体的に問題や目標に取り組めるように働きかけることが重要です。

2. できたことをほめて自信をつけ、外泊・就学意欲につなげる

 子どもの状況によって目標設定を段階的に行い、できたことを毎日ほめられる中で自信がつくと就学意欲につながっていきます。がんばり表や日課表など評価が見えやすいものを用い、外泊中の過ごし方や親との関わり方を話しあって計画し、実行できたことを評価すると良いでしょう。

3. 子どもの居場所をつくる

 入院が長期化すると、子どもの居場所がなくなるという問題が起こってきます。夏休みや冬休み、土日など外泊するよう促します。子どもが家庭内での居場所を確保できるように、子どもに料理やお手伝いなど家庭内での役割を見出せる方法を提案してみましょう。

家族に対する支援

1. 家族機能をアセスメントする

 看護師は入院時から、家族の思いや状態、受け入れ態勢、ケア能力などのアセスメントを行う必要があります。面会時の様子や、外泊の頻度、外泊時の送迎者、外泊中の様子やお金の与え方、過ごし方を観察することで、家族機能や養育状況をアセスメントすることができます。また、外泊から帰ってきた時の子どもの様子は注意深く観察する必要があります。

2. 家族と協働する

 退院前には強い不安を訴え消極的になる親が多いため、早期から治療に巻き込むことが課題となります。しかし、入院初期には家族に対しても侵入的にならない、責めずあせらせず、家族の不安を傾聴し、苦労を労い励まし、尊重することも必要です。母親を中心に機能している家族に対しては、面談の場を利用して父親も治療に参加できるように働きかけ、家族全体で治療に取り組めるような関わりをする必要があります。また、外泊時に約束事を提示し、外泊中の子どもの過ごし方や関わり方について具体的に提案します。家での問題について子どもと家族双方が対処できる力をもてるように指導することが重要です。

3. 家族が子どもを理解できるように働きかける

 面会や外泊の送迎で、家族が病棟に来た際には、子どもの最近の変化や生活の様子を家族に伝えます。入院前との違いを繰り返し伝えていくことが重要です。

4. 子どもを受け入れるために家族に自信をつける

 子どもの問題に対し、家族は力不足を感じており、適切な評価や対応ができない状況にあります。行動の意味や具体的な接し方などを説明することにより家族がどうあれば良いのかを確信していけるように働きかけましょう。

架け橋になる

 外泊支援において、看護師は子どもと家族、他の医療関係者との間の架け橋になることが必要です。親と子どもとの間でうまくやりとりができなかった時には、親と子ども別々にふりかえりを行い、それぞれの思いを解釈して伝える役割があります。さらに、家族と主治医、夫婦の間を取り持つ役割もあります。看護師が架け橋となることで、子ども・家族・医療者の間で、共通の目標や目的をもつことができます。そのためには、病棟での様子、外泊時の課題、外泊中の様子などを子ども・家族・医療者で共有できる外泊連絡票などの看護記録用紙を活用することも有用です。

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