様々な背景をもつ子どもをどのように集団としてまとめていけばよいですか?

 子どもの成長発達には集団における対人関係が重要な意味をもちます。子どもは、家族関係を基盤としながらも友達関係において、社会の常識の感覚を育んでいきます。この点から、集団を治療として目的をもった適切な対象として認識し、集団療法的アプローチを行う必要性があります。集団療法の中での子どもの言動が、入院病棟全体の子ども集団を見るときの有用な情報になります。

1.集団の視点から見た子どもの特性

 子どもの成長発達時期に応じた集団のレベルを看護師が知っておく事が必要です。すなわち、児童期の5~7歳くらいは、自己の興味中心ではあるが、比較的長期に集団の課題に協力ができる時期であり、遊びや活動を通した集団での過ごし方で、社会性を育み、同時に年長者からルールを教わり規範を意識し始めます。9~12歳では、同質の集団で他者を理解し相互の交流を含んだ活動が行え、言語を中心とした関わりでも集団のリーダーとなったり、社会性を育むことができます。15~18歳くらいでは、お互いの違いを認め、集団全体の目的に添って課題を遂行でき、言語を駆使して集団内の葛藤への対処もできるようになります。

2.集団を構成する子ども一人一人の社会性のアセスメント

 上記の知識を持った上で、患者である子ども一人一人の社会性のアセスメントを行うことが必要です。12~18歳くらいの子どもたちは、仲間集団のルールを重視し、小集団から仲間はずれにされないように、社会規範から外れることもあります。精神的に何らかの問題を抱えて入院してくる子どもの場合、友人同士の関係性の発達の前に親や大人との関係におけるルールを守ってこなかった子も少なくありません。まずは大人である医療者との関係を築くことを心がけましょう。

3.集団療法的アプローチ

 子どもの社会性の発達は、入院によって阻害されると考えられます。一方で、家庭や学校の集団で外傷体験を受けた子どもが少なくなく、そういう子どもたちは、集団への帰属の希求と絶望、大人である医療者への敵意が複雑に絡み合っています。子どもたちの背景を考慮し、治療的に集団を形成し、集団によって病気の回復と社会性の発達を促進する必要性があります。児童期の子どもの場合は、遊びや活動を使った4~5人程度の1時間半から2時間程度の集団療法を、思春期の子どもの場合は、言語を駆使した6~9人程度の1時間程度の集団療法が適しています。このような枠組みのある集団療法によって、孤独に悩む子どもが、他メンバーから共感され受容される体験が持て、自分の言動の結果を集団の中で観察でき、自分には見えていなかった自分自身を再発見することにつながります。

4.集団における子どもの課題に対する日常生活での般化の練習

 集団療法における個々の子どもの課題を普段の生活集団の中で意図的に練習し、般化することで、社会性を育むことにつながります。日常生活での課題に取りくめるようサポートすることは、看護師としての重要な役割といえます。

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