医療者間で共通した認識をもち、統一した対応をするというのはどういうことですか?

 児童・思春期精神科病棟では、日常的に多職種の医療者で協働することが多いです。看護師は、医療者間で情報を共有し共通認識や一致した方向性をもつことや、統一した介入を提供することが困難であると感じています。特に、今起きている問題、目標、治療方針、対応の意図や子どもの見立てに対しての共通理解がないと統一した対応をすることができません。
 そのためには、それぞれの医療者が専門性を発揮し「知識」や「情報」をもちより、カンファレンスや事例検討会などで最適な医療について検討することが必要です。看護師は、医療者間でチーム活動を行う際に円滑に活動できるよう、情報を提供したり、子どもをつないだり、家族との連絡を図るなどの調整役を担っています。また、看護師の専門性は子どもや家族の生活の支援であるため、症状からくる子どもの日常生活の困難さに対し生活を整えていく役割があります。そのためには、多職種の医療者と今おきている子どもの問題、目標、治療方針、対応の意図や子どもの見立てなどの共通理解を得ておく必要があります。
 ここでは、医療者間で統一した対応がうまく機能する要素についてまとめました。

医療者間で統一した対応がうまく機能する要素

1.「知識」や「情報」を医療者間で共有し、討議すること

 チーム医療を実践していくことは、異なる「知識」や「情報」を持つもの同士が、その「知識」や「情報」に基づいて自由に討論し合い、提供する医療を見つけていく行為です。異なる「知識」と「情報」があることで、それぞれの見方の差異が発見されます。最適な医療について考えるということは、医療者間に生じた子どもの見方に対する差異を埋めていくことです。
 「知識」や「情報」に基づいた自由な話し合いを通し、多職種で共通理解が必要な項目には、①今起きている問題、②治療目標や治療方針、③治療、ケアの進捗状況が挙げられます。これらは、子どもの問題を明確にし、治療、ケアを行うときの指針や評価につながり、統一した関わりを行うときの柱となります。

2.カンファレンスや事例検討会の開催

 多職種がそれぞれ「知識」や「情報」をもちより、最適な医療について検討していくためには、話し合いの場、すなわち、カンファレンスや事例検討会などの機会を持つことが必要です。多職種でカンファレンスや事例検討会が開かれると、容易に他の職種が子どもをどのように見立てて、何を行っているか、どのように関わっているのかを把握することができます。
 さらに、カンファレンスや事例検討をケアに生かしていくためには、日々の活動の中にカンファレンスを組み込み、多職種の医療者でチーム医療を行っているという認識をもつことが重要です。

3.日常的な交流におけるコミュニケーション

 多職種で、統一した関わりを行っていくためのインフォーマルな要素として、日ごろから同じ職場で働く者同士のコミュニケーション、人間関係が大切です。日常的な挨拶や会話、職種を超えた食事会など日常的な交流による人間関係が、カンファレンスや事例検討会における自由な討論、意見交換を可能にします。

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