一般の人にも詳しく解説
タイトル | 子どもの「心の病」を知る 児童期・青年期とどう向き合うか |
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著者 | 岡田 尊司 | |
出版社 | PHP研究所 | |
ISBN | 978-4-569-64324-3 | |
価格 | 924円 | |
発売 | 2005年 |
書評
著者はこれまでに、精神疾患についてだけでなく、こころの問題を取り巻く社会環境や子どもの養育環境についての著書も多い精神科医である。本書は、「幼児期・児童期」と「思春期・青年期」の2つのPARTで構成されており、それぞれの時期における子どもの心理的特徴、注意すべき精神疾患が網羅的に概説されている。精神疾患については、その病気を経験した歴史上の人物のエピソード、著者が経験した臨床ケース、科学的なデータ、対応と治療のポイントがバランス良く含まれている。専門的な内容も含まれているが、分かりやすく書かれており、ピカソ、アインシュタイン、坂本竜馬、田中角栄などの誰もが知っている著名人のエピソードも登場するので、一般の人でも楽しく読める。子どもが精神的な困難に直面することを、自分自身に気づくきっかけと捉える著者のポジティブな見方は、子どもとの関わりに疲れた大人に希望をもたらし勇気づけてくれるだろう。