平成25年度から新しい研究課題「「児童・思春期精神科病棟における看護実践能力向上のための学習プログラムの構築」に取り組んでいます

3年間かけて実施した研究課題「児童・思春期精神科病棟における看護ガイドラインの開発」が昨年度に終了したところですが、今年度から新たに「児童・思春期精神科病棟における看護実践能力向上のための学習プログラムの構築」という研究課題に取り組むことになりました。子どものこころのケアと看護をテーマにしたこのWEBサイトは、この新しい研究課題に引き継いで運営していくことになります。そこで、皆さまにこの新しい研究課題について、簡単にご紹介したいと思います。

「児童・思春期精神科病棟における看護実践能力向上のための学習プログラムの構築」は、文部科学省科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)基盤研究(C)の研究費によって、平成25年度から28年度までの4年間をかけて行われるものです。

 この研究の目的は、児童・思春期精神科病棟における看護実践能力向上のための、エビデンスに基づいた学習システムを構築することです。具体的には、児童・思春期精神科看護の領域において、以下の①~④を目的とした調査を実施し、学習システムの構成要素とします。    

  • 看護実践能力のゴール設定とコンピテンシーモデルの開発【調査1】

看護基礎教育修了時の児童・思春期精神科看護における知識と看護技術の習得レベルの実態調査と利害関係者や国内外の専門家へのインタビュー調査を行い、臨床能力のゴールを明らかにし、コンピテンシーモデルを記述する。

  • 看護師による親子支援プログラムの開発【調査2】

児童・思春期精神科病棟で看護師が実施している親子への支援場面のビデオ撮影または参加観察によるデータから、看護師、親、患児の相互行為をエスノメソドロジーにて分析し、ケアの構造を明らかにし、親子支援プログラムとして再構成する。

  • 効果的な看護実践事例の集積【調査3】

児童・思春期精神科看護における困難事例と上手くいった事例についての看護師へのヒアリング調査を実施し、内容の質的な分析から、有効なケアを抽出・意味づけし、効果的な看護実践事例として集積する。

  • 看護師が臨床上の知識・経験・成果を共有する手法の開発【調査4】

本研究の知見と臨床上の知識・経験・成果を共有するための学習機会を設定し、利用者の満足度、実用性、妥当性を定性的および定量的に評価し、複数の効果的な学習手法を開発し、有機的に統合する。

今年度から新たな様々な取り組みが始まります。一つは、看護師養成課程のある教育機関で精神看護または小児看護を担当する教員を対象に「看護師養成課程における子どもの心に関する教育の実態調査」を行います。9月上旬に対象となる方宛てに調査票をお送り致しますので、ご協力頂けますと幸いです。次に、児童・思春期精神科看護に関する研修会を実施し、臨床での学習ニーズを把握したいと思っています。もし、児童・。思春期精神科看護についての研修会に興味・関心をお持ちの方は、このサイトの問い合わせフォームhttps://capsychnurs.jp/contact/からご連絡を頂けるとうれしいです。

このWEBサイトでは、児童・思春期精神科看護に役立つ書籍や理論を紹介したり、実際の臨床事例を解説を加えて紹介するといった内容を加えていきたいと考えています。

今後とも、どうぞよろしくお願い致します。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です