支援者は、訪問支援の開始を家族から提案してもらったり、会えなくても定期的に訪問したりするなど会いたいというサインを送ることで、本人との直接の関わりを持とうと試みていました。
本人とつながるための訪問方法を立てる
本人の日常生活が自立していく中で本人の困り事や悩みが表面化した時、また、家族が本人に訪問支援の打診ができるような関係になった時、訪問時間や訪問間隔など訪問によって本人と直接接触するための訪問方法を具体的に考えていました。ひきこもりの経験者を同伴することもありました。
本人の興味があることを事前に調べて話題を作っておく
訪問では、本人の価値観や興味に合わせることが重要です。家族の情報をもとに、本人の生活状況や興味・関心を調べ、本人と会えた時の話題をいくつか準備していました。
訪問支援の開始を家族から提案してもらう
多くのケースが、家族から本人に訪問開始の提案をしてもらっていました。支援者は、本人が訪問の提案を受け入れやすいように、本人との関係が最も良好な家族員に対して、どのように訪問開始を提案するか具体的に説明していました。また、自己紹介と訪問の提案を記した支援者からの手紙を、家族を通して本人に渡してもらう場合もありました。
会えなくても定期的に訪問する
本人が支援を拒否しており、家族の協力も得られない場合は、会えなくても訪問を続けることで本人との関係を作りながら本人の気持ちの変化や危機などのきっかけで支援を始められるチャンスを待たざるをえません。支援者は、情報を届ける、偶然近くまで来た等という名目で本人に忘れられない程度の間隔で定期的に訪問し、情報誌や手紙・メモなどの形跡を残してすぐに帰るようにしていました。手紙・メモの内容は、支援者の近況報告、支援者が本人のためにできることのお知らせ、本人に手伝ってほしいことの依頼などです。会えるまで数年かかる場合であっても、見捨てられたという気持ちにさせないために根気強く続けていました。