熟練支援者は、本人が自分の現在の生活上の希望や困り事を、支援者に表現できるように働きかけていました。そして、支援チームやひきこもりを経験したことのある当事者を巻き込みながら、それらに対応していました。
現在の希望や困りことを見つける
本人に困り感がないと支援は拒否されることが多いため、支援者は今後の目標ではなく今の生活の中での本人の希望や困りごとを見つけようとしていました。困っていること、したいこと、心身の不調などを本人に尋ねたり、本人が困っているであろうことを指摘したりしていました。
希望を叶え、困りごとを解決する
本人の希望や困りごとは、心身の不調、家族との関わり方、趣味の道具、経済的な不安等です。医療機関の受診、福祉サービスの受給手続き、買い物への付き添い、家族と本人の間を取りもつ、などの支援が行われました。支援者は、希望を叶え、困りごとを解決していくプロセスを通して、本人が自然と社会との接点を回復していくことを意識していました。
支援のメリットを感じてもらう
本人の困りごとや希望に対する支援者の関わりに、本人がメリットを感じられるように支援を展開していました。メリットとして、経済的な補助や内服治療による生活の質の向上などがあります。たとえわずかなメリットがあったとしても、その人は支援チームのメンバーと一緒に働く意欲を高めることができます。